「どい書店」が選書する、秋におすすめの3冊

ついこの前まで夏だったのに。

もうあっという間に秋ですね。最近、私の家ではこたつを出しました。知り合いの方からたくさんのみかんをもらって(愛媛県民あるある)こたつでみかんを食べてのんびりと過ごしています。

そんな私とは正反対に「忙しく過ぎる毎日に、秋を楽しむ暇もない」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回の記事では内子町小田地区にあるどい書店から、忙しいあなたも「読書の秋」を楽しめる3冊をご紹介します。


目次

1冊目: 望月竜馬著『I Love Youの訳し方』

最初に、本を紹介してくれたのはいつも気さくに話しかけてくださる写真家の水本さんです。

水本さんとこの本が出会ったのは、松山市にあるアエル内の明屋書店。本のカバーに一目惚れしたそうです。紅葉色の表紙には、女の子をきつねが抱きしめているイラストが描かれています。

なぜこの本を選んだのでしょうか?

秋といえば恋の季節だと思ったので、恋愛の本をおすすめしたいと思いました。あとは、じっくり本を読む時間がない人でもぱらっとめくって読める本なので、忙しい方でも読みやすいと思って選びました。

この本には、数々の名書から引用した文、その文の解説と作者の紹介が見開きで書かれています。そのため、この1冊の本から新しい作家やたくさんの本に出会うことができます。この本を読んでくれた方が、さらに新しい本と出会えたらいいなと思い選びました。


好きな文はありましたか?

はい、24と25ページの太宰治が書いた『斜陽』から引用している文が好きです。

もう一度お逢いして、その時、いやならハッキリ言って下さい。私のこの胸の炎は、あなたが点火したのですから、あなたが消して行って下さい。私ひとりの力では、とても消す事が出来ないのです

太宰治 『斜陽』より

この文では”あなたが消して”という言葉があるように、恋愛が自分自身で完結していません。しかし私は、恋愛は自分自身で火をつけるものだというイメージをもっており、実際そのような経験をしてきました。この文に出会って私の中でも発見があり、とても印象的だった文です。


この本のおすすめポイントを教えてください

本のイラストがかわいく、表紙がおしゃれなので家に飾るだけでもいいと思います。家に飾って、誰か遊びにきた時に一緒に読む。その時に好きな作者、好きな文が一緒で話が盛り上がる。そんな新しいコミュニケーションが生まれるきっかけになると思います。

また、本を誰かに貸してどのページが好きだったか聞くのも面白いかもしれません。この本が新しい本・作者との出会い、そして友達や恋人との新しい共通点を見つける入り口になったらいいなと思います。


まず本のカバーがおしゃれ!水本さんがこの本に一目惚れしたのもすごく納得できます。カバーの色は少し濃い赤で、手触りは少しざらつきがあって本に温かさを感じます。また、この本を読んで様々な愛の形があること、伝え方があることを知りました。言葉をもっと自由に使って愛を表現してもいいのだなと感じる一冊です。


2冊目: 藤村忠寿/嬉野雅道著『続、悩むだけ損!』

この本を選書してくださったのは、愛媛県の県庁所在地である松山市から内子町小田地区へ移住し、小田で映像作家をしている烏谷さん。

この本は、北海道テレビ制作の深夜バラエティ番組「水曜どうでしょう」のディレクター2人によって書かれたものです。本では、読者から寄せられた20個の悩みに対して、2人が時に真剣に、時に面白くポジティブに返答します。

この本との出会いを教えてください

もともと「水曜どうでしょう」という番組が好きで、どハマりしていた時期にWebサイトでこの本のことを知りました。

この本と出会った時、私は大学卒業後に就職した会社をうつで辞め、これからの人生どう生きていくか模索していました。その時に求めていたのは、真面目な自己啓発の本でもなく、有名な人の言葉でもなく、”その辺のおっさんの言葉”でした。飲み屋で隣になったおっさんに、人生相談に乗ってもらうくらいがちょうどよかったのです。その時の私が求めていたものとマッチしたのがこの本でした。


この本を読んでどのように感じましたか?

本の中で大人が真剣にバカなことをしていて、こういうのでいい、真面目じゃなくていいと気持ちが楽になりました。また、ディレクターの2人が小さい悩みを真剣に返すのが面白いです。1人はズバズバと刺激的な返答、もう1人は穏やかで温厚な返答と2人の返答がかなり違うので、その違いも楽しめました。

例えば、”職場でカツラをカミングアウトするのにうまい方法がありますでしょうか。”という悩みに対して、”職場の飲み会の席でアメリカ独立宣言ぐらい歴史に残る高らかなヅラ宣言をしましょう”などと返答していたのが面白くて記憶に残っています。


どんな人にオススメでしょうか?

今、何か悩みを持っている人にはぜひ読んでほしいです。確かに真剣に考えることも必要です。しかし時には、”深く悩みすぎずにこんなレベルでいい”と気楽に捉えることも必要なのではないでしょうか?

私は「水曜どうでしょう」の番組がきっかけですが、もちろんこの番組に興味がない人でも楽しめます。よければ手にとってみてくださいね。


まず、目次からお悩みの一覧を見ることができるところが読み進めやすいと感じました。目次から気になるページに飛んでその悩みに対する意見を得ることができます。ディレクターのお二人がとても真剣に返答してくださるので、食い入るように読んでしまいました。新たな悩みが出てきたときにめくりたくなる一冊です。


3冊目: 二川幸夫著『日本の民家一九五五年』

この本を選書してくださったのは、どい書店の店長、岡山さんです。モノクロの表紙に大きな題名。一見難しそうな本だと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?実はこの本は、日本そして世界を代表する建築写真家、二川幸夫さんの写真集です。

この本との出会いを教えてください

もしかしたら知っている方もいらっしゃると思いますが、著者の二川幸夫さんは有名な建築写真家です。僕が大学で建築を学んでいる頃、よく教科書などで名前を見かけました。二川幸夫の写真集を見てみたいと思い、手にとったことがきっかけです。


なぜこの本を選んだのでしょうか?

どい書店は本が置いてある喫茶店なので、店内でペラペラとめくれる本がよいのではと思って選びました。普段忙しくてなかなか本を読む時間がとれない人でも、気軽に手にとっていただけると思います。

本には1955年頃の日本の建物や集落の写真が載っています。そのため、どい書店に来て昔の建築に興味を持った人にも読んでもらえたらと思っています。


どの写真がオススメでしょうか?

やっぱり愛媛の方には、愛南町の集落「外泊(そとどまり)」のページがおすすめです。急斜面に民家が並び、民家の軒に達するほどの石垣が積み上げられています。その集落の写真は本の中と思えないほど迫力がありました。建物に興味のない方でもめくっていくごとに昔の日本の建物に圧倒されること間違いなしです。


どんな人にオススメでしょうか?

一見表紙だけ見ると難しい印象を受けるかもしれませんが、誰でも戦後間もない日本の様子を楽しめる本だと思います。

また、僕自身、空き店舗「旧土居書店」をリノベーションして喫茶店を作る中で、昔の建物のどこを残してどの部分を変えるのかとても難しいと感じました。そんな時にこの本を参考にした経験があり、古民家やインテリアに興味のある方にもおすすめの一冊です。


この本をみてまず驚いたのは本の大きさです。A4よりも一回り大きいくらいのサイズでした。そして本を開くと、建物の写真がページいっぱいに広がり迫力満点です。まるで当時の日本を覗き見ているような気持ちになりました。愛南町の集落「外泊」の写真があったので、本を持って実際にその土地を歩いてみたくなりました。


最後に

今回は、どい書店の皆さんに秋におすすめの3冊を選書していただきました。この選書を通して、私も普段は手に取らないようなジャンルの本に出会うことができました。みなさん本をおすすめするのがとても上手なので、おすすめポイントを聞いていると読みたくなり早速インターネット上で検索して購入してしまいました。皆さんは気になる本はありましたか?どの本も違うジャンルで、違った面白さがありますよ。

今回選書していただいた3冊はどい書店でも読むことができます。ぜひどい書店で美味しいコーヒーを飲みながら気になった本を手にとってみてくださいね。


『どい書店』

愛媛県喜多郡内子町小田118
松山市から約40キロ、車で約1時間ほどです。


どい書店の紹介

愛媛県内子町の小田にある、昭和元年に建てられた古民家を利用した『どい書店』は2020年11月1日から喫茶店としてリニューアルオープン!畳でコーヒーを飲みながらのんびり本を読む。そんな休日いかがでしょうか?

どい書店についてもっと知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

http://sea-side.main.jp/11/23/

Writer – moe
Photo director – まく

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