愛媛県松山市一番町にある「Bar MIYAO」と、2021年7月にオープンした松山市祇園町の「Bartender select GION」を2店舗経営されている松山市出身の宮尾翔一(みやおしょういち)さん。
様々なメディアに取り上げられ、銭湯をリノベーションした酒屋として注目を集めている「Bartender select GION」には、お客様が続々と訪れています。
店長の宮尾さんはなぜ「Bartender select GION」を開業し、どのようなことを大切にして経営されているのでしょうか。また、お店を経営するにあたって伝えたいこともお伺いしてきました。
「Bartender select GION」に実際にお伺いした時の記事はこちら。
宮尾翔一(みやおしょういち)
愛媛県松山市出身 1982年生まれ。
2016年7月 Bar MIYAOをはじめる。
2021年7月 Bartender select GIONをはじめる。
ひたすら真っ直ぐに技術を磨き、Bar MIYAOを開業
宮尾さんは、Bar MIYAOとBartender select GIONを開業される前はどのようなことをしていたのでしょうか。
20歳の頃から愛媛県内のバーで修行をしていました。修行をして12年ほど経った後、Bar MIYAOを開きました。県内や全国各地に高度な技術を持った方がたくさんいて、20代の頃は劣等感を抱きながらも、ひたすら真っ直ぐに技術を磨いていましたね。
そして今はBar MIYAOを続けながら、Bartender select GIONを営んでいます。お酒を作るプロとしてBar MIYAOのカウンターにも立ち続けているため、新しいお酒にはとても敏感です。バーでお客様に喜んでもらえたお酒などを酒屋でも販売するようにしています。
なるほど。実際にバーでお客様の反応を見て、酒屋で販売するお酒もアップデートされているのですね。
Bar MIYAOを営んでいる宮尾さんがBartender select GIONを始めたきっかけ
Bar MIYAOを営んでいる宮尾さんがBartender select GIONを始めたきっかけは何だったのでしょうか。
きっかけはコロナ禍で飲食産業が縮小し、Bar MIYAOのお客様がかなり減ってしまったことでした。そのため、料飲店等期限付酒類小売業免許※を取得し、お客様の需要がありそうだった量り売りをBar MIYAOで始めてみることにしました。
料飲店等期限付酒類小売業免許とは
新型コロナウイルス感染症に関連して飲食業界が大きな影響を受けている中、これに基因して料飲店等が酒類小売業免許を取得しようとする場合について、申請手続の簡素化・免許処理の迅速化を図る観点から、一般の酒類小売業免許とは別に、「料飲店等期限付酒類小売業免許」を設けたものです。料飲店等期限付酒類小売業免許を取得することで、料飲店等において、在庫酒類の持ち帰り用の販売等を行うことができます。
(参照:https://www.nta.go.jp/taxes/sake/kansensho/pdf/0020004-095.pdf)
お酒というと1瓶1ℓほどのものが多く、1瓶買うには味が好みかわからないので購入へと踏み出しにくい。また、味が好みではなかった場合、ずっと1瓶が家に残ってしまいますよね。
気になるけど飲んだことない、コロナ禍でバーに行けないから家でちょっとだけ試してみたいというお客様の思いに応えたくて。
Bar MIYAOで始めた量り売りのサービスに多くの反響があったため、酒類小売業免許を改めて取得し、Bartender select GIONを始めました。
お客様のニーズに応え続ける量り売りサービス
量り売りのサービス、とても気になります。
Bartender select GIONでは、量り売り専用の100mlほど(約2,3杯分)の小瓶を用意しています。
家でお酒を楽しむ方々や、外食をしたくてもできない方々に特に人気のサービスで、気になるお酒を何種類か量り売り専用の小瓶で購入される方も多いですね。
今も100種類以上量り売りで提供できるお酒を用意しているのですが、今後も増やしていきお客様の需要に答えていきたいと思っています。
「100年後も形を残したい。」祖父の銭湯「祇園湯」をリノベーションして酒屋に
Bartender select GIONといえば、銭湯をリノベーションしているところが大きな特徴だと思いますが、店舗立ち上げ当初から銭湯をリノベーションして酒屋を作ろうと考えていたのでしょうか?
元々は銭湯を酒屋にしようとは考えておらず、別に酒屋のための物件を探していました。物件探しをしていたちょうどその頃、僕の祖父が営んでいた銭湯「祇園湯」が廃業となったため、リノベーションして酒屋にすることに決めました。66年の歴史を持つ銭湯だったのですが、「少なくとも100年は形を残して頑張りたい。」という僕の想いが強くあり、リノベーションして酒屋として形を残すことを決めました。
リノベーションを決めてから半年で開店しており、順調そうに見えますが苦労した点などはありますでしょうか。
やはり66年の歴史がある銭湯なので、老朽化している部分もあり、リノベーションの工事を進める上で直さないといけないところが多々あったため、立ち上げ時は金銭面含め大変苦労しました。
また、夜のバーテンダーの仕事に加え、Bartender select GIONの店舗立ち上げ時は朝から、開店してからは営業時間の8割ほど店頭に立っていました。41歳ということもあり、生活に慣れる半年くらいまでは体力的にかなりしんどかったですね。
店舗経営の魅力と夫婦で運営すること
店舗経営の魅力を教えてください。
色々な方と出会うことができるのがやっぱり良いですね。仕事の上でも色々な方にお会いすることが多いのですが、自分達が考えたことや、持っている想いに一緒に乗っかってくれることが嬉しいです。
また、色々なところからBartender select GIONを知ってくれて、常連さんになってくれる方々はどこか自分達に共感してくださっていると感じていて、やっぱり嬉しいです。
ご夫婦で店舗を運営をされているのが印象的ですが、強みや逆に難しいと感じることはありますでしょうか。
強みでいうと、彼女の得意な部分と僕の得意な部分を活かせるところですかね。
彼女は元々洋服の販売員をしていたので、その経験を活かし商品の陳列をしてくれています。酒屋の多くは、お酒の瓶がずらりと並んでいて少し圧迫感があると思うのですが、Bartender select GIONでは雑貨屋のように陳列し、お客様が店内に入りやすいよう心がけています。
また、彼女が運用しているInstagramなどは、特に僕が何も言うこともなくやってくれています。Instagramで家族の投稿をしてくれているのも彼女で、僕だったら恥ずかしいからやめてくれよと思うのですが、家族の投稿がお客様に響いているようです。
朝の自然光が当たる場所で写真を撮るなど、写真の配色などにもこだわっているようです。
彼女のセンスがいいのもありますし、「絶対自分では無理だな。」と思うとこも多々あり、リスペクトしています。
逆に夫婦で運営する中で難しいなと感じるところは、正直特にないですね。僕がサボっていたら怒られるくらいです(笑)
将来、店舗経営を考えている方へ
将来、店舗経営を考えている方々に一言お願いします!
他の店舗との差別化は重要です。店舗を運営されるのであれば、自店舗の特徴は何か、を明確に答えられないといけません。また、その特徴が1つだと少ないです。
Bartender select GIONでいうと、まず銭湯をリノベーションしている酒屋っていうのがまず珍しい。また、プロがお酒をセレクトしているという2つが圧倒的な特徴だと考えています。お店の商品で3つの特徴ではなく、店舗としてみたときの大きな強みが3つあれば良いと思います。
最後に
最後に一言お願いします!
今は、10〜20代の女性の方にご来店いただくことが多いですが、ぜひお母さんと一緒に来て欲しいです。お酒だけでなく食器類も置いているので、母娘で店内を回って楽しんでいただけると思いますし、若い方をきっかけに幅広い世代の方に楽しんでいただけると嬉しいです。
こだわりがたくさん詰まったBartender select GION、皆さんぜひ訪れてみてくださいね。
今回ご紹介した場所
Bartender select GION
営業時間:10:00〜19:00
定休日:火曜・隔週水曜・他不定休あり
所在地:
〒790-0965 愛媛県松山市祇園町9-23
TEL:089-998-2038
Instagram:https://www.instagram.com/gion_bs/
ECサイト:https://b-gion.com/
Bar MIYAO
営業時間:18:00〜翌1:00
定休日:火曜日
所在地:
松山市愛媛県松山市一番町1丁目11-9 ガッツビル5F
アクセス:
伊予鉄バス大街道バスターミナルより徒歩2分
大街道駅から205m
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