「地方でのこれからの農業のあり方を模索しながら、面白いことを実現させたい。」 高橋大希さんが応援する非日常への一歩とは。

愛媛県中予地方を中心に農業に特化したマッチングサービスの事業を運営している、高橋大希さん。大学時代に自分が感じたことをもとに農業に関わる人を支援したいと思い、入社した会社で農業に関するマッチングサービス事業として実現されている。そんな時、高橋大希さんはどのような経験を経て、一歩踏み出したのだろうか。

今回は愛媛を中心に幅広い活動を行う、高橋大希さん自身のことを伺った。

高橋大希
2020年4月より、株式会社KIRI(キリ)(https://aiagri.jp
(本社:愛媛県松山市、以下KIRI)に入社。
同年、5月20日に農業に特化した単発アルバイトマッチングサービス【AIagri】[アイアグリ]の事業を同社にて立ち上げた。
現在は、アイアグリにて地方の農業の人手不足を解決するため事業を展開しながら、地域に資する事業をKIRIにて行なっている。

目次

農業に特化したマッチングサービスを始めようと思ったきっかけ

 2018年、中部・四国地方を含む西日本を中心に広い範囲で発生した西日本豪雨災害で愛媛が被害を受けたとき、僕は大学4年生でした。その頃、時間に余裕があったので、僕は愛媛県宇和島市の吉田町というところへボランティアに行きました。

ボランティアに行っていた時期は、夏場でみかんの間引き(間引きとは、植物を栽培する際、苗を密植した状態から、少数の苗を残して残りを抜いてしまう作業のことである。)のような作業をやっていて、せっかくその作業をしたなら収穫までやってみたい、と思い、11月から12月の間は宇和島で泊まり込みのアルバイトとして働かせてもらいました。

みかんの収穫も進んで忙しくなっていく日々の最中、よく手伝いにきている手慣れたおじいさんが玄関で転んで怪我してしまったことがありました。

そのおじいさんが手伝えなくなった時、代わりに手伝ってくれる人を探したのですが、
近所で働くことができる人は、みんな他の農園を既に手伝っている状況でした。

農業では、ひとり人手が欠けるだけでも収穫が遅くなることがあります。

作業が思うように進まない中、農家のおっちゃんの大変そうな顔を見る機会も増えました。
しかし一方で、、夜お酒を一緒に楽しんでいる時「来てくれてよかったよ。すごく楽しい。」と言ってくださったりもしました。
あぁ、農業の手伝いに「人が来る」ということはもしかしたらとても大事なことなのかもしれない、そう感じたのを覚えています。

その後、いろいろな農家さんの話を聞いていく中で、高齢化が進む中、新しい労働力がない。本人はやる気があって、山を縮小していかなきゃいけない。他にも、山を広げていきたいけど人手が足りない。そんな声を多く聞きました。

その声を聞いて、ふと自分が大学生の期間を振り返ると暇をしてる日あったなぁ。と思い、
単発バイトとしてなら、やりたい!って言ってくれる大学生がいるのではないか。
と考えるようになり、軽い興味から大学の友人と一緒に興居島や北条などの地域を中心に農家さんを手伝い始めたのがきっかけでした。

あれはいつくらいのことだったろうか。くだらないバラエティを観ながら、ビールから日本酒に移行して少し経って、つまみがなくなろうとしているくらいの時、おっちゃんがポツリと。
「娘全員が嫁ぐまでみかんで育て上げて、もう養えばいいのはワシ一人。なんのために頑張ればいいんかのぉ。」
そういって寝床に行くおっちゃんの背中はいつもよりどこか寂しく見えた。
そして、そう言いながらも翌朝からモリモリ働くその背中は、とても力強くて、眩しかった。
宇和島でのそんな日々も過ぎ去り一人愛媛の自宅で、将来どうしようかと就活もしないで悶々と悩んでいる時にこの二つの話を思い出してふと思ったのだ、


「なんだどこも一緒じゃないか」と。

noteより

やりたいと思ったことを実現できた源とは

AIagriは、実際に高橋さんがやりたいと思ったことをサービスとして実現していると感じていますが、実現できた理由はなぜでしょうか?

会社の存在は大きかったですが、

AIagriが農家さんから手伝ってほしい内容や条件を擦り合わせてLINEで募集するという、シンプルなビジネスモデルだったため、意気込んで何か大変な準備をしないといけない、ということではなかったです。なので、実現へのハードルは低かったです。

また、始めから事業にするぞ!やるぞ!と意気込んでやっていたわけではなく、ただ友達に声かけてみようかなという気持ちで始めました。

しかし、人材紹介事業を行うためには自分ひとりの力では難しいと考え、今働いているKIRIの方々と一緒に立ち上げました。

やりたいことが自分の中にあって、やりたいことができる環境に恵まれたことが実現できた理由だと思います。

始めてみると、周りの支援もあって自分が思っていた以上に成功することができ、自分がやってきたことで農家さんの支援できている実感を感じました。

また、僕がやりたいことをやる一歩を踏み出すときには、後先考えずにとりあえず一歩踏み出していると思います。

その後、もうやってしまったから戻れない…と自分を追い込むことでやらざるを得ない状況を作っています。

AIagriを通して広がる新たな非日常への一歩

AIagriを登録して実際にアルバイトをした学生の中で、仲良くなった、などのエピソードはありますでしょうか?

学生として登録くれていた、三輪くんという男の子は、AIagriを通してアルバイトを行いお世話になっていたいちご農園さんに就職しました。

医学部の学生が農業を体験するためにアルバイトすることもあり、普段農業に関わることがない人も農業を知るきっかけとして使ってくれる人もいます。

愛媛に残るという選択をした大希さんからみた愛媛とは

愛媛の人は、何かやるぞ!と思ったら応援してくれる人が多く、協力的に支援してくれる場所だと思います。

もし、何かやってみたいけど何をしたらいいかわからない….と思う人は、ぜひAIagriを使って一歩踏み出してみてください。

AIagriと大希さん自身のこれから

AIagriは、今現在愛媛中予を中心に農業をお手伝いさせていただいていますが、農業に限らずまだまだ動いて人を助けることができる人手がいると感じていて、中予だけでなく南予や、中四国に、業種という範囲も広げつつ地域も拡大していきたいと思っています。

また、新たに住み込み農業バイト紹介サービス「AIagriトラベル」を9月16日にリリースしました。

今後は、このサービスを通して沢山の人のお手伝いをできればと思っています。

個人としては、もう少し、農業をしたいと思う高齢者や継ぎたいと思っている人がいるのであればお手伝いし、地方でのこれからの農業のあり方を模索しながら、色々と面白いことを形にできればと思っています。

■詳細情報

高橋大希 : Twitter
AIagri : サイト / Twitter

ゆき / Writer

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