ごはん・メモリーズ 〜愛媛県大洲市・いもたき編〜

皆さんこんにちは、anninです。

突然ですが、皆さんは愛媛の郷土料理といえば何を思い浮かべるでしょうか?

実は愛媛の地域は東部(東予)中部(中予)南部(南予)に分かれていて、それぞれの地域全てに郷土料理があります。
今回は、東予、中予、南予全てに住んだことのある私が、愛媛の郷土料理を作って食べながら当時の思い出を綴ろうと思います。
昔の記憶を掘り起こしているので、綴るというよりは呟くようになっているのはご愛嬌ということでお願いします。

さて、まずは今回作る郷土料理を発表します。今回は…愛媛県大洲市の郷土料理「いもたき」です!
いもたきとは、里芋と野菜(主に根菜)とこんにゃく、きのこなどを甘辛く炊いた汁物。お好みで鶏肉や油揚げなどを入れても美味な、ご飯が無限に進むご飯泥棒!小さい頃から、この料理のせいで何杯のご飯を消費してきたかわかりません。

作る前からご飯を爆食することを予測した上で米を炊飯器にセットし、いざ調理開始…するところで思い出しましたが、そういえばこのいもたきには、秋になると川辺で鍋を囲んで食べるという風習があります。
私が大洲市に住んでいたのは本当に小さい頃でしたが、家族でいもたきを食べたのをぼんやりと覚えています。今思えば秋の夜の川辺って普通に寒いですよね!でも、川辺で冷える中、温かいいもたきをみんなで囲むのも良い…と思いながら今日は家の中でのんびりと食べます。

ではやっとこさ調理開始します。まずは主役の里芋と、その他の野菜を準備。
準備といっても、今回は冷凍の里芋とカット&下茹で済みの根菜ミックスを使用するので特にすることはありません。ズル…ではないです、これが大人の時短ワザです。

私も大人になった…としみじみ感じると同時に、子どもの頃を思い出しました。

私が住んでいたのは大州の中心部の方でした。
朝ご飯は父が作ってくれる卵炒飯。当時、私は食パンが嫌いだったので毎朝卵炒飯でした。幼稚園に着くと遊具で遊んだり、プリンの空き容器にダンゴムシを入れたり(今はダンゴムシ触れません、幼稚園児すごい)…。幼稚園が終わり、母の自転車の後ろで揺られながら帰る道のり。途中スーパーに寄り駄菓子を買ってもらい、帰ったらくもんに行って、晩ご飯。
そんな毎日を、ぼんやりと覚えています。

私が通っていた幼稚園は小規模で、人数が少なく園自体も狭かったのですが、どこかあたたかい空気感があって好きでした。
今は残念ながら閉園してしまった母園を思い返しながら、調理に戻ります。

鶏胸肉を一口大に切り、油抜きをした油揚げも切ります。これで下準備は完了です。
次に、大きめの鍋に油を引いて鶏胸肉を炒めます。
鶏胸肉の色が変わってきたら他の野菜も入れてさっと炒め合わせたら、だし汁を投入。
一緒に、先ほどの油揚げとこんにゃくと冷蔵庫に残っていた、ぶなしめじも入れちゃいます。
ちなみに、こんにゃくを手でちぎって入れると味がよく染みるのでおすすめです。湯通してから入れるとさらに良いですが、今日は大人の時短ワザを使ったのでそのまま入れました。決して面倒だったからではありません。

大人の時短ワザは置いておいて、味付けをしましょう。いもたきの味付けはもちろん酒、しょうゆ、砂糖、みりんで甘辛く!あとは具材に味がしみるまでじっくり炊いていくだけです。

完成までちょっと休憩。

ここで質問ですが、皆さんの小さいころの夢は何でしたか?私が幼稚園児の時、初めて答えた将来の夢はケーキ屋さんでした。何故こんなことを聞くのかというと、幼稚園のクラスメイトの男の子が将来の夢を聞かれた時に「僕はボクシングになりたいです」と答えていたのを思い出したからです。ボクシング選手ではありません、ボクシングです。

彼は今もボクシング目指しているのか、もしくは既にボクシングになっていて、私たちは知らず知らずのうちにボクシング(彼)に触れているのか…?

そうこう考えているうちに、いもたきが出来上がりました。

見るからに具材に味が染みていて、早くご飯と一緒に頬張りたい!鍋からそのまま食べそうになる衝動を抑えて器に取り分け、ご飯も盛り付けて、食卓につきます。それでは、いただきます!

ほくほくの里芋、食感の違いが楽しい他の野菜たち、味が染みにしみた油揚げ、淡白ながらもジューシーな鶏胸肉、良いアクセントのぶなしめじ、ぷるぷるこんにゃく…美味しすぎてご飯が無限に進みます!

いもたきとご飯を交互に頬張りながら、自分が大州に住んでいた数年間をまた思い出します。
家の周りの景色、少し行けば見えてくる大きな川、通っていたくもんでやっていたドリル、当時謎に幼稚園内で流行っていた人の名前を後ろから読む遊び…(定期的に思い出すので、もはや大州の思い出といえばこれかもしれない)
何とも言えない、懐かしい気持ちに包まれました。昔を思い出してばかりではいけない現代人ですが、たまにはこんなふうにご飯を食べながら思い出に浸るのも良いかもなと思う夜でした。

いもたきを食べたら故郷が恋しくなって、先日久しぶりに大州を訪れてきました。どこか懐かしい建物、まちのすぐそばの大きな川、柔らかな風…いもたきを食べながら思い出したまちそのものが、そこにありました。

皆さんも、ぜひ自分の住んでいる・住んでいたまちの料理を作って食べてみてください。忙しい毎日ですが、ふと立ち止まって郷土料理を食べながら思い出に浸るのもたまにはいいかもしれませんよ。

annin / Writer

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